周りの意見と自分の意見、どうバランス取る?フォロワーシップ診断が教える意思決定のヒント
周りの意見と自分の意見、どう向き合っていますか
職場では、日々の業務からチームの方向性まで、様々な場面で意思決定が行われます。会議での意見交換、上司からの指示、同僚との相談など、周りの意見に触れる機会は数多くあります。
そうした状況で、「周りの意見にどう応じたら良いのだろうか」「自分の意見を言って良いのだろうか」「皆の意見と自分の考えが違うとき、どうすれば良いのだろうか」と悩むことがあるかもしれません。特に社会人として経験が浅い時期には、周囲に合わせるべきか、自分の考えを主張すべきか、そのバランスの取り方に戸惑うことも少なくないでしょう。
周りの意見を尊重することは、チームワークにとって非常に大切です。一方で、自分の頭で考え、必要に応じて意見を持つことも、個人の成長やチームへの貢献において欠かせません。この「周りの意見」と「自分の意見」の間の最適なバランスは、どのように見つけたら良いのでしょうか。
実は、このバランスの取り方には、あなたの「フォロワーシップ」のスタイルが深く関わっています。フォロワーシップとは、組織やチームの目標達成に向けて、リーダーを支援し、チームに貢献しようとする自律的な姿勢や能力のことです。あなたのフォロワーシップタイプを知ることは、周りの意見との向き合い方や、意思決定の際の自身の傾向を理解するヒントになります。
フォロワーシップタイプが示す、周りの意見への向き合い方
フォロワーシップにはいくつかのタイプがあると言われています。ここでは代表的な考え方を参考に、周りの意見への向き合い方の傾向を見てみましょう。
- 協調的なタイプ: 周囲との調和を大切にし、場の空気を読むことに長けています。周りの意見や多数派の意見に自然と寄り添う傾向があります。チームの一体感を保つ上で重要な存在ですが、自身の意見を抑えがちになる場合もあるかもしれません。
- 批判的・分析的なタイプ: 物事を鵜呑みにせず、一度立ち止まって考えたり、様々な角度から検討したりします。周りの意見に対しても、「本当にそれで良いのだろうか」と建設的な疑問を投げかけることがあります。チームの意思決定に多角的な視点をもたらしますが、時に「意見がまとまらない」と感じられることもあるかもしれません。
- 主体的なタイプ: 目標達成に対して高い意欲を持ち、自ら考え、行動を起こすことを得意とします。周りの意見を聞きつつも、自身の明確な考えやビジョンを持っており、それを推進しようとします。チームを前進させる原動力となりますが、周囲との意見の調整が必要になる場面もあるでしょう。
- 消極的なタイプ: 周囲への関与や自己主張を控えめにする傾向があります。周りの意見に異論を唱えることは少なく、自身の意見を積極的に表明することも少ないかもしれません。指示されたことを正確にこなすことに集中しますが、チームへの貢献実感が持ちにくかったり、自分の考えが反映されないことに悩んだりすることもあるかもしれません。
これらのタイプ分けはあくまで一例であり、人は状況に応じて様々な側面を見せます。しかし、自分がどのような傾向を持っているかを知ることは、周りの意見にどう反応しやすいかを理解する上で役立ちます。
自分の意見を持ち、意思決定に関わるヒント
自分のフォロワーシップタイプによる傾向を理解した上で、周りの意見を尊重しつつ、自分の意見を持ち、建設的に意思決定に関わるためのヒントを考えてみましょう。
- 自分の思考プロセスを理解する: あなたは、意見を求められたときにすぐに答えるタイプですか?それとも、一度持ち帰ってじっくり考えるタイプでしょうか?また、感情的に反応しやすいか、論理的に考えることを好むかなど、自分の思考や反応のパターンを知ることから始めましょう。フォロワーシップ診断は、あなたがどのような状況で、どのように考えやすいかを知る手がかりを提供してくれます。
- 「なぜそう思うのか」を大切にする: 周囲の意見を聞く際も、自分の意見を形成する際も、「なぜそうなるのだろう?」「なぜ自分はそう考えたのだろう?」と理由や根拠を考える習慣をつけましょう。これは、協調的なタイプにとっては自分の意見を深める助けに、批判的なタイプにとっては建設的な提案に繋げるために、主体的なタイプにとっては周囲の理解を得るために、消極的なタイプにとっては発言への自信に繋がる可能性があります。
- 意見の「違い」を恐れない: 意見が違うことは、決して悪いことではありません。多様な意見があるからこそ、より良い意思決定に繋がることも多くあります。自分の意見が周りと違っていても、「場を乱すのではないか」と過度に心配する必要はありません。ただし、どのように伝えれば建設的な議論になるかは、フォロワーシップタイプによって効果的なアプローチが異なる場合があります。例えば、協調的なタイプは共感を示しつつ提案する、批判的なタイプはデータや事実を提示する、主体的なタイプは情熱を持って語る、といった具合です。
- 小さなことから意見表明の練習をする: いきなり重要な会議で発言するのは難しくても、日々のちょっとした相談や、よりカジュアルな場で自分の考えを伝えてみることから始められます。練習を重ねることで、自分の意見を持つこと、そして伝えることへの抵抗感を減らしていくことができます。
自分を知ることが、最適なバランスを見つける第一歩
周りの意見と自分の意見のバランスを取ることは、一朝一夕にできるものではなく、また唯一絶対の正解があるわけでもありません。状況や相手、そして何よりもあなた自身の特性によって、最適なバランスは変化します。
あなたのフォロワーシップタイプを知ることは、あなたが普段、周りの意見や情報に対してどのように向き合いやすいか、そして自分の考えをどのように形成し、表現しやすいかという、あなたの「仕事のOS」とも言える部分を理解することに繋がります。
自分の傾向を知ることは、必要以上に周りに合わせすぎていないか、逆に周りの意見を聞き入れていないのではないか、といった振り返りの機会を与えてくれます。そして、「では、より建設的に意思決定に関わるためには、どのようなことを意識すれば良いのか?」という、今後の具体的な行動について考えるための重要なヒントとなるでしょう。
あなた自身のフォロワーシップタイプを診断で明らかにし、周りの意見との向き合い方、そして自分らしい意思決定のスタイルを見つけるための第一歩を踏み出してみませんか。